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カスハラ対応方針のひな形と初動フロー・相談記録台帳

厚生労働省の指針の項目に沿った汎用のひな形です。登録は不要です。〔 〕の部分を自社に合わせて書き換えてください。

これは一般的な情報に基づく汎用のひな形で、個社向けに作成したものではなく、法的助言でもありません。そのまま使えば義務を満たせるというものではありません。自社の実態に合わせて内容を決め、全員に伝えることが必要です。就業規則に組み込む場合は所定の手続きが必要です。個別の判断は、社会保険労務士や弁護士、都道府県労働局にご相談ください。

目次: 1. 方針 / 2. 社内ルール / 3. 初動フロー / 4. 相談記録台帳 / お客様向けの掲示文(別ページ) / 受講記録シート(別ページ)

1. カスタマーハラスメントに関する方針

対応する指針の項目: 第4項⑴イ(方針を明確化し、管理職を含む労働者に周知・啓発する。義務)。文面は企業マニュアル4.2.1(P.20)の方針の例と、方針に含める要素例をもとにしています。顧客等に知らせることは、指針が効果的と考えられるとしている取組です。

カスタマーハラスメントに関する方針 〔会社名〕は、お客様に対して真摯に対応し、信頼や期待に応えることを大切にします。正当なご意見やご要望には、誠実にお応えします。 一方で、お客様などからの要求や言動の中には、従業員の人格を否定する言動、暴力、性的な要求など、従業員の尊厳を傷つけるものもあります。こうした行為は、職場環境を悪化させる、あってはならない問題です。 私たちは、従業員の人権を尊重するため、このような要求や言動に対しては、組織として毅然とした態度で対応し、従業員を守ります。 従業員がこうした行為を受けたときは、一人で抱えず、上司や相談窓口に報告・相談してください。報告や相談があったときは、組織として対応します。 〔年 月 日〕 〔会社名〕 〔代表者の役職・氏名〕

2. 社内ルール(カスハラの内容と対処の内容)

対応する指針の項目: 第4項⑴ロ(カスハラの内容と対処の内容を周知する)、⑵(相談窓口)、⑷(特に悪質なものへの対処の方針と体制)、⑸(プライバシーの保護と不利益な取扱いをしない旨)。いずれも義務です。言動の例は指針第2項⑸、対処の例は第4項⑴ロと⑷に挙げられたものです。限定列挙ではないため、自社で起きやすい例を加えてください。

このほか、窓口の担当者が適切に対応できるようにすること(⑵ロ)、悪質な場合の対処を実行できる体制(⑷)、プライバシーを守る具体的な措置(⑸イ)も義務で、文書を作るだけでは足りません。

カスタマーハラスメント対応の社内ルール 1. カスタマーハラスメントとは お客様や取引先など(以下「顧客等」)の言動のうち、業務の性質などに照らして社会通念上許容される範囲を超えたもので、従業員の就業環境が害されるものをいいます。 ・正当な苦情や申入れは、カスタマーハラスメントに当たりません。 ・障害のある方が、不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、社会的障壁の除去を必要としている旨を伝えることは、カスタマーハラスメントに当たりません。 ・店頭だけでなく、電話、メール、SNSなどでの言動も含みます。 2. 例(これに限りません) ・殴る、蹴る、物を投げつけるなどの暴力 ・人格を否定する言動、土下座の強要、盗撮や無断での撮影 ・SNSなどに悪評を投稿することをほのめかして脅すこと、従業員のプライバシーに関わる情報を投稿すること ・大声で威圧すること ・同じ質問や要求を執拗に繰り返すこと ・長時間の居座りや電話による拘束 ・性的な要求、従業員のプライバシーに関わる要求 ・契約内容を著しく超えるサービスの要求、商品やサービスと無関係な不当な損害賠償の要求 〔自社で起きやすい例を追加〕 3. 起きたときの対処 ・すぐに〔報告先:店長、責任者など〕に報告し、その場の対応について指示を受ける。 ・できるだけ一人で対応しない。必要に応じて〔責任者〕が代わって対応する。 ・〔責任者〕は、報告を受けたときや自ら気づいたときは、直ちに対応する。 ・十分に説明したうえで、なお同じ要求が続く場合は、〔目安の時間〕を目安に、退店をお願いする、または電話を終える。 ・暴行、傷害、脅迫など犯罪に当たり得る言動は、警察に通報する。 ・現場での対応が難しいときは、〔本部、代表者など〕に連絡して指示を受ける。 ・〔録音・録画を行う場合: 個人情報保護法などを守り、目的と方法を定めて行う。〕 〔自社の実態に合わせて追加・修正〕 4. 特に悪質な場合の対処 過度な要求を繰り返すなど特に悪質な場合は、〔責任者〕が判断し、次の対処を行うことがあります。 ・警察への通報 ・警告文の送付 ・法令の範囲内での商品の販売やサービスの提供の停止 ・店舗や施設への出入りの禁止 ・〔弁護士への相談のうえでの法的手続〕 判断のときに連携する相手: 〔本部、代表者、弁護士など〕 〔業法などでサービスの提供が義務づけられている業種、サービスが止まると利用者の生命や健康に重大な影響がある業種は、それに留意して定める。障害のある方への不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供義務にも留意する。〕 5. 相談窓口 ・担当: 〔氏名・役職〕 連絡先: 〔 〕 ・〔外部の相談先があれば記載〕 ・カスタマーハラスメントに当たるか迷う場合や、起きそうな段階でも相談できます。 6. 相談した人を守ります ・相談した人や事実確認に協力した人のプライバシーを守ります。 ・相談したこと、事実確認に協力したこと、都道府県労働局に相談したことや紛争解決の援助を求めたこと、調停を申請したことや調停に出頭したことを理由に、解雇その他の不利益な取扱いはしません。 7. 起きた後の対応 ・事実関係を早く正確に確かめます。 ・被害を受けた従業員への配慮(担当の交代、複数人での対応、管理職が代わって対応するなど)を速やかに行います。 ・方針や対処の内容を改めて伝えるなど、再発防止の措置を行います。事実が確認できなかった場合も同様です。 〔制定日: 年 月 日〕 〔責任者: 〕

7は指針第4項⑶(事実関係の確認、被害者への配慮、再発防止。義務)の内容です。6を就業規則に定めるか、社内資料に記載して配るかは、指針がどちらも例として挙げています。

3. 現場の初動フロー(掲示・配布用)

2の「起きたときの対処」を、現場で見返せる1枚にまとめたものです。安全の確保を最優先にする点は、企業マニュアル4.4.2(P.39)によります。順番と言い回しは当サイトの提案です。2と食い違わないように書き換えてください。

お客様対応で困ったら

1. 安全暴力や物を投げるなどがあれば、まず離れる。周りの人も守る。
2. 報告一人で続けず、〔報告先〕に知らせて指示を受ける。
3. 交代〔責任者〕が代わる。できるだけ複数人で対応する。
4. 区切る十分に説明しても同じ要求が続くときは、〔目安の時間〕を目安に、〔責任者〕の判断で退店をお願いする、または電話を終える。
5. 通報暴行、傷害、脅迫など犯罪に当たり得るときは110番。
6. 記録その日のうちに、日時、場所、相手、言動、対応した人を記録する。
7. 相談つらいとき、迷うときは〔相談窓口〕へ。相談したことで不利益な扱いはしません。

4. 相談記録台帳(CSV)

指針第4項⑶ハは、再発防止の措置とあわせて、必要に応じて事案の内容や対応経緯を記録し、個人情報の取扱いに留意して関係部門に共有し、再発防止に活用することも「考えられる」としています(企業マニュアル4.4.3(P.41)も同じ趣旨)。記録すること自体は義務ではありません。項目は当サイトの提案です。

Excelなどの表計算ソフトで開けます。項目: 受付番号、受付日、相談者(取扱注意)、対象の顧客等、発生日時、場所・場面、言動の内容(事実)、対応した人、同席者、とった対処、被害を受けた人への配慮、事実確認の結果、再発防止の措置、再周知の実施日、完了日。

相談者の氏名や相談の内容は、相談した人のプライバシーに関わります。見られる人を〔相談窓口の担当者と責任者〕に限ってください。

決めたら、全員に伝える

方針と社内ルールは、決めるだけでなく、管理職を含む全員に伝えることが指針の義務です。社内報や配布資料、研修などの方法があります。足りない項目がないかは、無料のチェックで確かめられます。

自社の不足を確認する(無料・約2分)

スタッフ向けの、読む目安が約10分(推定)の研修と受講記録の一覧の例は、デモで見られます。自社のスタッフ向けに使う場合の料金は料金ページ(月額4,980円・税込)にあります。